2012年6月18日月曜日

贖罪

この人の書く本は、自分がそのシステムに組み込まれたら、自分もまた犯罪を犯すのではないかと思わせるようなところにある。

センセーショナルな事件が起こった時、まず事件を引き起こした犯人の特異性を探るマスコミ報道が行われる。例えば、ひきこもり、就職の失敗、精神疾患、両親の離婚など。その事実を知ることで、自分と事件が非連続であることを感じている風潮は、現在においてひどく感じることた。

そんな態度をとるヒトに是非読んで欲しい。犯罪や事件が自分と連続性のあるところに存在することにぞっとするだろう。

2012年6月16日土曜日

無限の網 草間彌生自伝

草間彌生の自伝
面白さや素晴らしさよりも、
もっと根底のエネルギーに対して作用してくる本です。

僕の場合は、絵やパフォーマンスよりも、こういった文章による表現が
受信器として働いたためか、
読んだ後、焦燥感にかられるようでした。

今まで芸術家を含めて色々な伝記・自伝を読んできたけれども
根底に流れるパワフルさと、表現が時間との戦いで、走り続ける勢いが
文章から伝わってくる感覚は他の自伝などでは感じなかった。

スキャンダラスな記述と時々自慢に聞こえる文章もあるが
圧倒的な勢いを感じさせられ、それが自分にも影響を与えていることを実感します。

2012年6月12日火曜日

オレたちバブル入行組読んだ

バブル期に入社した銀行員の物語。
不渡りに関連して貶められた主人公が、やり返していく。
ジワジワを追い詰めていく所がハラハラして面白い。

題材としては、重苦しくエグい話にももっていけそうだけど、この小説はぐっとりくどくなくて、軽い気持ちで読めます。