2012年2月24日金曜日

利休にたずねよを読んだよ

利休にたずねよ (PHP文芸文庫)
利休にたずねよ (PHP文芸文庫)


利休が秀吉に自害を命じられるところから話が始まる。
利休がどれほど美に狂っていたか。その源泉はどこか。
がテーマとなって話が進んでいく。


感想
小難しい言葉には少しウンザリするけれども、
茶の世界を完成させた利休の、美に対する執念が印象的だった。
食事や内装、風景の描写が丁寧に表現されており、
利休の美に取り憑かれた様子が引き立っていた。

特に
お茶が出る前にだされるご飯の描写が美味しそうだった。

「何かに溺れている様子は美しい」
そういった視点で権力に溺れる秀吉と美に執着する利休を見ながら読んだ。
取り澄まして冷ややかに生きているよりも
命を燃やしながら、取り憑かれて生きたほうが
濃くてよい人生を歩める。
「祇園精舎の鐘の声」なんていいながら物語を冷笑するよりも、
何かを求めて生きる登場人物としていきたい。

そんなことを思いながら読み終えました。

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