2012年12月22日土曜日

高村薫の冷血読んだよ。

2002年が舞台。1家4人の強盗殺人が起こる。
犯人2名の動機と人物像がとらえどころなく、
薄気味悪く、居心地の悪さを感じさせられます。

2002年の出来事がところどころ挿入されているので、
ストーリーをより立体的に感じることができます。
さくさくと展開を楽しむというよりは、
しっかり描写された登場人物をじっくり読み込んでいくような本です。

考え方や捉え方は、人によって異なるもので共有できるとは限らない。
強い動機が犯罪を引き起こすが、思いつきだけでも犯罪につながっていくこともある。
それでも生い立ちや動機を調べていくのはなんのためか?
もちろん、計画性や殺意の有無といった量刑の判断に関係するためなのだが、
ワイドショーや週刊誌をみていると、いかに特殊で自分たちと関係のない世界の住人かを
確認する作業のように考えてしまう。

それでも処罰をまつ犯人と合田とのやりとりは、
理解できない、分かり合えない相手とも言葉をかけあい、触れ合うことはできるのではないかと
思わせます。

カポーティーのほうも読んでみようかな。


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