戦争の時代を飛行機制作の技術者として生きる二郎が主役
二郎は日本の遅れた飛行機技術でも、優れた飛行機をつくる方法を考え続ける。
ドイツの後を必死で追う本庄とうまく対比されていて、
タバコの吸い方でも、二郎はぼんやりと何かを想像するように吸い、
本庄は険しい顔をして、追い込まれたように吸う。
印象に残った所、というか流れは
墜落してしまった飛行機を二郎がじっくりと眺めるシーンから、
(集大成の零戦が)一機も戻らなかったと語るところへつながり所は印象にのこった。
墜落した飛行機を眺めている間、感情を表現する言葉の挿入はない。
ただじっくり眺めるシーンが流れる。
そのシーンによって、一機も戻らなかったといったときの悲しさが伝わってくる。
風立ちぬ いざ生きめやも
が表現すること。
「風」は時の流れであり、帽子を運び、飛ばしていくものであり、飛行機でもある
そのときの時代があって、出会いと別れがあって、飛行機があって
そういった風をまるごと受けて、さあ生きていこう
っていう気になる映画でした。
時代とストーリーとしては、もっと悲壮感があってもよいのだろうが、
そのようには描かれないのも、さあ生きていこうがテーマだからだと思います。



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